●質問
①今後、更に少子高齢化が進むなかでも、ローカリズムは存続するのか?
②サーフィンのスポーツとしての競技力を追求すると、没個性に向かってしまうのか?
③サーフィンがメジャースポーツになるためには、採点方法が変わる必要があるのか?
まず①は、少子高齢化が進めば進むほど、ローカリズムは強くなっていくのかな、と思う。年長の人間というのはことあるごとに自己主張したがり、威張りたがり、弱者を押さえたがるものだ。基本的にはローカリズムはそういうものの上に成り立っていると思われるので、同じクオリティの波が、そこにいるサーファーみんなに均等に配布される、という状況にならない限り、排他的な方角のローカリズムというのはサーフィンからは消えないと思う。
ただし、その力を行使するローカルという人が本当にそこのローカルなのかどうかは微妙かな、と思う。
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そんなことよりあなた、2022カレンダーですわ。
今回は2001年のCJからこっち、2021までのワールドチャンピオンを集めてみました。もちろん皆様から募集した格言の中から傑作をピックして掲載。チャンプ獲得の年代順なので、1月はいきなりケリーってことになりました。何しろ今から30年前1992年が初タイトルなので。センター見開きにはスティーブ・シャーマンのトラッスルズ、WSLファイナルズのガブとカリッサの様子のコラージュです。
今回新たな試みとして、各月にQRコードがついていて、それ読み取っていただくとカレンダースペシャルコラムにジャンプ。各月の採用写真の解説とか、その人のワールドタイトルの思い出とか、当時の思い出とか、いろいろ私の思い出話が読めるようになっています。毎月のカレンダーコラムは毎月1日に公開、つまりケリーの思い出話は元旦公開です。まもなく販売開始できるかと思うので、今しばらくお待ちください。
質問、楽でいいなぁ、と思ってたんだけど、たまり始めるとあっという間にたまるもんで、それはそれで追われる感があり、久しぶりに締め切りの恐怖感を味わっている。
でも何書こうかなぁ、と考えるよりはだいぶ楽なわけだけど。締め切りなんて最悪ぶっちぎればいいし(笑)。
●質問
コナー・オレアリーがフランスのチャレンジャーシリーズで優勝し、リクオリファイが濃厚になってきました。ユキさんはコナーが幼い頃から彼のことを知っていると思いますが、コナーはどんな人なのかを詳しく教えて下さい。
え~、生まれる前から知ってるけど、本当に普通の人です。でかいけど。
お母さんの柄沢明美とは、もう40年近く前からの知り合いで、まだ私がこの仕事をする前、プロサーファーになりたくて湘南の辻堂、鵠沼あたりでブイブイ言わせてた頃のチームメイト。私はその後コンペに挫折して、取材する側に回り、明美ちゃんはJPSAのグラチャンになった。
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●質問1:近年サーフボードデザインに大きな変化はなく、結局、原点回帰しているように感じます。ユキさんは、今のサーフボードデザインが完成形だと考えますか?
これね~、まさに世界中のあちこちでもう何十年にもわたってこういう会話がなされているのだと思うけど、結局何も変わらないのが現実ではある。
今の形がサーフボードという道具の完成形なのかどうかはわからないし、完成形に興味はないけど、使う側のほとんどが今の形にある程度満足しているのは事実なんだと思う。だから変わらない。
もう何年も前にダニエル・トムソンが世に送り出したノーズのない板とか、デーン・レイノルズのテール切っちゃった板とか、その辺は近年ではだいぶ革新的というか斬新だった部類だと思う。でも結局今、元の形が定着しているということは、使う側が元の形を選んだということだ。
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なお、写真は現在鋭意制作中の2022カレンダー。今回は2001年から今年までのワールドチャンピオンを集めてみました。新作のオーストラリアレッグからの写真あり、アーカイブ写真ありで、なかなかいい出来だと思います。今しばらくお待ちを!
質問: 近年、WSLをブラジリアンが席巻していますが、この先のWSL勢力図はどう変わっていくと考えますか? そこに日本は絡んでいけるのか、ジュニア世代の育成状況等、ユキさんの見解をお聞かせ下さい。
まぁ、この先何年かはガブを先頭に、みんなしてそこに追いつけ追い越せという時代なんだろうと思う。シーンというのはいつもそうなんだけど、誰かが技術革新を成し遂げて頭一つ抜け、みんながそれに追いつこうとレベルをあげていくことの繰り返しだ。ブラジリアン3羽ガラスの中でもガブは別格で、イタロにしてもフィリッペにしても、バックドアやチョープーでのパフォーマンスを考えると、まだだいぶ差を詰めなくてはらないと思う。ジョンジョンも安定感が課題。そろそろオーストラリアからタイトル争いに絡む若手の実力者が出てきてもいいのかな、とは思う。端境期長すぎ(笑)。
さて、そこに日本が絡んでいけるのか、だけど、まぁ、短いスパンでは無理かな。皆さん二言目にはジュニア世代の育成とおっしゃるけど、私は10年以上前から、日本のサーファーの育成に関して問題なのはそこではない、と主張している。もうずいぶん前からジュニアというカテゴリーでは日本は世界でもトップクラスの実力を誇っているのだ。ジュニア世界一というタイトルだってゲットした。海外の人から見たら、ジュニアの世界トップレベルの次はCTなので、すぐにでも日本からCT選手が生まれる、と、もう10年以上にわたって思われていて、それが何で出てこないのか、と、不思議がられている。ジュニアではあんなに強いのに……という、外から見たら日本は非常に不思議な国なんである。
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質問: WSLファイナルズが、WSL史上最高の視聴率を記録したようで、そうなるとWSLは当面この方式を続けることが考えられますが、来年度以降のこの方式のメリット・デメリットをお聞かせ下さい。また、ファイナルズに相応しい会場は、どこだと考えますか?
あれ、WSL史上最高の視聴率を記録したの? 大盛りに盛ってるでしょww
まぁ、事実にしても盛ってるにしても、私は好きじゃないな。
あの方式のメリットは、年間ランキング2位から5位までの選手にセカンドチャンス、下剋上ステージがあるってことぐらいかなぁ。男女計8名にとってはまたとないシステムだと思う。
あとはまぁ、焚き付け材料として、この1日で世界チャンピオンが決まるってあおれることぐらいだろうか。
デメリットは年間ツアーを1位で終わった選手が、もう一度勝たないと1位になれないってこと。やってられないだろうな、と思う。そしてもっと大きなデメリットだろうと思うのは、私自身がそうなんだけど、通常の年間の試合ごとのランキングの上下への興味が薄れることかなぁ、と思う。トップ5か否か、という見方になってしまうし、たとえ今1位争いをしていても、結局ファイナルズで決まるんだと思うと、なんかどうでもいいかな、と思っちゃうのは私だけなんだろうか?
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2022年用カレンダーのサーフィン格言、絶賛募集中~!
さて、宿題となっておりました質問その3
ここ数年のサーフテクニックの更なる向上により、ケガのリスクが上がっていますね。実際に、ジョンジョンは膝ボロボロだと思います。これからのサーフテクニックの進化および選手生命について、望ましい発展をユキさん独自の視点でお聞かせ下さい。
独自の視点かどうかはわからないし、意見は人それぞれだと思うけど、私はありとあらゆるスポーツが同じような道を進んでいるので、サーフィンだけが例外とはいかないだろうなと思う。選手生命は短縮化していくことになるだろう。14歳メジャーデビュー、22歳引退みたいな。身体ボロボロ、選手の肉体は消耗品、それが近年のスポーツといえる。参加することに意義がある、みたいな悠長な時代は遠い昔だ。
まずはざっくり分けて20世紀のサーフィンと21世紀のサーフィンの差を理解することからかな、と思う。
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あけおめから瞬時にして2022年カレンダーの季節だなぁ。もう今年何があったかとか考えるまもなく過ぎてゆくのだよ。
皆様におかれましても、質問、格言応募等でお忙しいところ失礼します(笑)
さて、質問その1
ユキさんがブラジルトップ3がこの先数年間活躍すると記事にされています。そうなると五十嵐カノア選手はワールドチャンピオンになるっていうのはかなり厳しいくらい差があるんですか? 日本からワールドチャンピオンが生まれるのはまだまだ先のことと考えますか?
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たくさんのサーフィン格言のエントリー、ありがとうございました。
カレンダーに採用となった方には、メールにて個別にご連絡差し上げます。
日本人のワールドタイトルの可能性、サーフィンにおけるジェンダーの平等についてと質問ふたつ来ていますが、これ書いてから質問に気がついちゃったので、次週必ずお答えします。お待たせしてすみません。
新しいシステムでのワールドタイトルも無事に終了、来シーズンのスケジュールも出て、ワールドツアーは着々と進んでいる感じだ。ここ数年のスケジュールからちょっと変わったのはスナッパーとサーフランチの試合がなくなって、代わりにロウワートラッスルズが復活したことか。そしていよいよミッドシーズンカットが始まる。シーズン半ばで人数減らすって、昔一度やって選手には大不評だったんだけどねぇ……。後半はトップ22、2023年クオリファイ確定の人のみでのツアー。シーズン前半で落ちた人はCSで頑張ってね、的な。でもこれ前半怪我したら致命的だし、CT選手としての価値が半年、5試合しかないので年間の契約が結びにくく、半年ごとの契約になる恐れがあるとか、そういう細かい不都合があってこのアイデアは消滅したんだけど……。
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う~ん、終わってみてもなんだかなぁ……なWSLファイナルズかな。
まぁ、ガブとカリッサでめでたしめでたし。正直ホッとした感じ。順位も女子のほうはそのまま順当で、メンズのほうはフィリッペがイタロに勝ってガブとやったぐらいで、まぁ、この3人のブラジリアンはこの先数年シーンをけん引していく3人なので、順当かな。フィリッペにとってはロウワーはホームみたいなもんだし、イタロは金メダル疲れもあるだろうしね。メダルは人生変えちゃうから。
でも、ほんとよかった。やっぱり表彰台であのカップを持っているのがイエロージャージーじゃないって、おかしいと思うよ。
どうなんだろうね、盛り上がってたのは現地だけとかじゃないのかな?
すごいね、カリフォルニア。ノーマスクで超密で、大丈夫なのかね、と思ってしまう。ワクチン接種率が高いので、大丈夫ってことなんだとは思うものの、それでも収まってない国もあるわけだからなぁ。
世界的にオンラインで盛り上がったんだろうか?
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