F+編集長
F+xBCMコラボカレンダー解説:2月はヤゴ・ドラ
F+xBCMコラボカレンダー2026版、好評発売中です。
1月のイーサン・ユーイングに続いては、2025ワールドチャンピオンのヤゴ・ドラ。ここ数年で急にサーフィンが上手くなったというか、エアーだけではないヤゴになって、そのレールワークのクオリティもぐんと上がった選手だと思う。昨年は特に鬼の居ぬ間に誰が取るのか的な、ジョンジョンとガブ無しツアーだったので、誰にとっても大きなチャンスだったが、そこはしっかりパワーアップしたヤゴが押さえた感じ。コンスタントさも身につけたし、同じブラジルのイタロやフィリッペより一段上に行ったかな、と思う。
困ったときのエアー、というのは近年CTでも強力な武器になっていて、彼のエアーはワールドタイトル獲得の大きな武器になったことは確かだ。もともとエアーゲームの安定感は抜群だったうえに、2025シーズンはレールゲームにも対応力を身に着けたので、ウイークポイントが見当たらない感じだった。
この特徴的な夕景のショットはJベイでのもの。どちらかというとアクションというよりはこの色彩とか雰囲気とかで選んだ写真ではあるけど、よく見るとこれ以上安定のしようがないほど、絵にかいたような理想的なエアーの空中姿勢だと思う。
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F+xBCMコラボカレンダー解説:1月はイーサン・ユーイング
F+xBCMコラボカレンダー2026版、好評発売中です。
早々とお買い上げいただいた方々、ありがとうございます。当方全力にて梱包中でございます(笑)。
このF+xBCMコラボカレンダーは、おそらく国内で唯一のサーフィンアクションショットカレンダーだと思うのですが、ご購入いただいている方々のリピーター率が非常に高くて、毎年毎年楽しみに待っていてくださるんだなぁ、ということを実感しております。
まぁ、カレンダーというのは偉大なるマンネリというか、少なくとも形や使い勝手は毎年同じものをかけ替えるのが普通なので、奇をてらったデザインとか、大幅な仕様変更とかは無いほうがいいと私は思っています。今まであったスペースにそのまま新しい年のものをかけ替えられる……少し愛して、長~く愛して。
F+常連購入者の名前を発送リストに見つけると、あぁ、○○さんは変わらず元気でやってるんだなぁ、とか、また買ってくれて、ありがたいなぁ、とか思ったりしながらせっせと梱包しております。○○さんとはお会いしたことはないわけだけど(笑)。
顔や姿かたちはわからなくても名前だけは覚えているもので、創刊当時からのファンの方とか、心温まるメッセージを添えてくださる方とか、とにかく私は12月のこの時期になると、しみじみと、皆さんのおかげでここまで歩いてこられました、と毎年思うわけです。感謝、感謝でございます。
もう一連のWSL五月雨式復帰ニュースも終わったし、この先コラムネタも切れちゃいそうなので、少しずつ小出しにカレンダーに選んだ写真の解説でもしていこうかと思っています。
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大御所ワールドチャンプ4人そろい踏みで復活
五月雨式に申し訳ございません……みたいな。
五月雨式→「さみだれしき」とは一度に終わらずにだらだら連続して続くこと。どんどん少しずつくるラインとかみたいなことですよね。
カリッサのあとすぐにステファニー・ギルモア、数日後にジョンジョンと五月雨式復活ニュースが来たあと、いよいよ後はガブだけじゃん、と思っていたらガブリエル・メディーナも復帰。大御所ワールドチャンプ4人そろい踏み。復帰の4人でワールドタイトルあわせて19? なんか、復帰ニュース聞いて初めて、そういえばこの人もあの人もいなかったんだ……みたいな。後誰がいないの?
おそらく復帰は全員とうの昔に決まってたことなんだろうけど、一度に誰と誰と誰が復帰しますというよりは、小出しに連日のようにニュース、のほうが話題性があっていいと思ったんだろうけど、なんか、あからさまな五月雨式。笑うに笑えないレベル。
カリッサに続く発表順に考えると、まずはステファニー・ギルモア。これは未知数というか、カリッサよりは今のクライテリアに合わない気もする。ステファニーのアグレッシブな攻めってあまり印象にないというか、アグレッシブな攻めなんだけど、スタイルとフローで何でもなく見えてしまう感じというか、うぉりゃ~、みたいな感じってあまり印象にない。パーコちゃんと同じ感じ。ものすごいことでも淡々とやっちゃう。そこね、きちんと見てもらえればいいけど、どうだろう。まぁ、復帰初戦が大得意なベルズなので、期待はできるかな。
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五月雨式にもうひとつ。
F+xBCMコラボカレンダー2026版発売開始でございます。発送は12月1日以降になりますが、F+公式マーケット(F+ magazineバックナンバーもアリ)にてオーダー可能ですので、年末のご挨拶の品としてとしてチョイスをぜひよろしくお願いいたします!
仕上がりはこんな感じ↓
カリッサ・ムーアの復活が楽しみだ
カリッサ復活。もう2026のワイルドカードだけではなく、ワールドタイトルもあげちゃってほしい。なんなら2027も。5タイムワールドチャンピオンだけど、本来ならこの人が7タイムワールドチャンピオンなわけで、あのしょうもないファイナルファイブという、たった一日で年間ツアーのタイトルを決めるというアホのようなルールのおかげで、一年間ずっと1位だったのにタイトルを逃したみたいな、アスリートとして受け入れられない思いを食らったわけだ。そりゃ辞めちゃうだろうし、それがなきゃ帰ってきてもいいかな、みたいな気持ちにもなるだろう(笑)。まぁ、その間にお母さんになって、また違う人生のドアも開いて、お母さんのゼッケン姿を子供に見せてあげたいということでもある。33歳、ジョンジョンと同じ歳。
そうねぇ、ぶっちゃけクリティカルはカリッサの売りだったし、それで勝ってたので、現役当時のサーフィンが健在ならいいところには行くだろうけど、たった数年のブランクではあるけど、その間にジャッジの求めるクリティカルスポットがよりヘビーなところに変わっていることは確かで、以前カリッサが当てていたところよりもっと手前、30-50センチぐらい手前に当てられないと厳しいかな、とは思う。もちろんそんなことは私に言われなくてもわかっているわけで、そこをどこまでアジャスト出来ているか、ベルズで彼女のサーフィンを見るのが楽しみだ。
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ニュースクールのサーファーたちの現在
CTツアーは長期休暇に入っているので、ネタがない(笑)。選手たちの個々のインスタとかを追ってネタ探しするのはスタイルじゃないというか、面倒だし、あまり興味もない。そういうことは誰かがどこかでやっているので、よろしくお願いしたい。
よって、海外のネタ元の友人とかに、ねぇ、なんかないの~? とか聞いてみる。
まぁ、特にないわな、あっちもこっちも。アメリカでもサーフィン業界には相変わらずあまりいい話がなく、サーフィンブームをしっかり味わったレジェンドたちもお仕事引退の時期を迎えていて、長いことハレイワのマーケットプレイスにあったRaging Isleというビル・バーンフィールドのお店も、ビル・バーンフィールドのリタイアに伴い閉店するのだということで、閉店セール中。まぁ、おそらくオープンが80年代なので、賃貸契約更新とかで、お家賃爆上がりにつきもう無理、という理由もあるのかと思う。懐かしいな、ビルバン。
アメリカの中でも特にハワイはもともと物価が高いエリアではあったけど、トランプ政権の影響でものすごい物価高に見舞われていて、現地の友人と話をするたびにあれもこれも高くて大変、という話になる。フードトラックのテイクアウトですらランチ3000円では収まらないわけで、その上1ドル150円となると、もう行けない。まぁ、現地で働いて稼いでいる人は賃金も上がっているので、多くもらって多く使う的なことではあるけど、それにしてもすごいレベルかな、と思う。これで失業でもしてしまえばにっちもさっちも、ホームレス一直線なわけで、アメリカ経済はけっこう危ういライン上で綱渡りだ。
でもそんな中でもニュースクールのサーファーたち、つまり、ケリーたちのグループはみんなそれぞれうまくやっていて、安定のキャリアを積んでいる。
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アンディ・アイアンズの死から15年が経った
先の日曜日、11月2日はアンディ・アイアンズ(フィリップ・アンドリュー・アイアンズ)の命日で、2010年のことだから、もう15年も前になる。そうかぁ、そんなに前かぁ、という感じだ。その年の12月8日に生まれている息子のアンディ・アクセル・アイアンズも15歳になるわけだ。
なんか長いツアー歴の中で、あれほどショッキングなニュースってなかったかなぁ、と思う。ツアー中の現役選手が旅の途中で死亡するって、後にも先にもあれだけかな、と。
カメラマンのトゥイギーや、セキュリティのトップだったウディ(デビッド・ウッド)など、ツアー中に亡くなった関係者や、ツアーを離れた元選手が亡くなったことはあったけど、現役CT選手がツアー中に、というのは無いと思う。
しかもそれがアンディ・アイアンズという強烈なキャラクターを持った選手で、帝王ケリーを破って3度のワールドタイトルを勝ち取った天才的なコンペティターだったからなおさらだ。
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ネコもくっつく季節になってきた
なんか、ついこの間まで滝汗流してたのに、もうストーブの日々だ。極端だなぁ。ほんの数日、ちょっと冷えるなって思っていたらそれが普通になってしまって、すっかり冬への覚悟を強いられる感じだな。
猫は気温に敏感で、おそらく20℃ぐらいが切り替わりのように見える。20℃ぐらいになると布団に入ってきたり、ネコ同士くっついて寝たり、冬ならではの行動になる。夏は冷たいところ、風通しのいいところにバラバラにいたのに。
奇跡の復活を遂げたトリ君は絶好調で、問題なく2026も新年を迎えられそうだ。ちょっと太りすぎな感じすらあり、後ろ足がないのに、うちで一番小さくて痩せているジュンちゃんより大きいし、だいぶ体重が重い。ジュンちゃん3キロ、トリ君もうすぐ4キロ。いくら何でもちょっとねぇ、とダイエットしようかと思っている。あんなにやせて、食べないことがあんなに悩みのタネだったのに……退院当時は2キロぐらいだった。
2足歩行もすっかり板についてきて、逃げ足は速くなるばかりだ。朝晩薬は飲んでいるけど、それ以外は普通の猫のようにのんびり暮らしている。こうなると、何歳まで生きるんだろうか、と思ったりする。今15歳、来年4月には16歳になる。生き運ってすごいな。
写真はトリ君、ジュンちゃん、茶トラのヒカルくん。足がないのに一番大きいのがトリ君だ。
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低年齢化する女子CSはクオリファイヤー確定
ここの所うちの近所ではイノシシの出没が多くなっていて、あそこで見た、ここで見た、みたいな情報が駆け回っている。意外に海の近くでも目撃されているので、犬の散歩はちょっと怖い。
まぁ、サーフィンの聖地とか言ったって一宮は里山なので、熊こそ出ないけど、イノシシやキョンやタヌキやアライグマやハクビシンや、野生動物の色は濃い。夏の天候不良でお山にご飯がないから下りてくるしかないわけで、可哀そうだなぁ、と思う。
特にここ数年、一宮の住宅建設ブームというか開発ぶりは無計画としか言いようのない感じの進行状況で、特に大きな空き地の多かった一宮海岸近辺の変容ぶりと来たら、まるで別の町に来たような感じすらする。里山は一度壊してしまったらもう元には戻らない。自然と緑と海のあるサーフタウンとか、きれいごと並べたところで、環境は日々住みにくくなる方向に進んでいるように思う。特に年寄りには。80歳過ぎたら免許返納とかいうけど、そんなことできない環境だから。バスはない、タクシーも数少ない、車がなければ医者にも行けないので、車のない生活は非現実的だ。民泊の騒音、ゴミ問題も増えてきているし、いい加減どうにかしないとならないんじゃないのかな、と思う一宮町民のひとりなのだよ。
さて、CSは追っているわけではないけど、そういえばブラジルやってるんだよなぁ、みたいな感じでチェック。暇だったからちょっと見たりした。シーズンはあと2試合残っているけど、早くも2名のクオリファイヤーがブラジルで確定した。女子のヨランダ・ホプキンスと14歳ティヤ・ゼブロウスキー。
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オマケのレールマニア
3回にわたってスプレーについてつべこべ掘り下げたわけだけど、そこまで掘り下げるにはやはり静止画像でないと見えないことが多すぎるので、いくら望遠鏡のようなレンズでファインダー越しにサーファーを見ていても、微細に至る動きまではその瞬間にはわからない。現地で、瞬時に消え去ってしまうスプレーを見るときにはおおざっぱに、でかいとか厚いとか薄いとかしょぼいとか、そんなレベルになる。でも動いているときにこそよく見えるものをかわりにじっと見つめているので、そのサーフィンの素性を見誤ることはない。それはレール、つまりボードの傾き方だ。
動いているサーフィンを見るとき、私はずっとレールばかりを見ている。スタイルや手の動きやクセなんかも目には入るけど、本当にその人がどういうサーフィンをしているのかを見ようとするときには、レールと板の傾き方、主に左右、時に前後の傾きをじっと観察している。
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スプレーマニア最終編
私はトップアクションから次のボトムターンに入るつなぎの部分につぎはぎのないことが大事だと思うし、そこで減速せずに加速できるサーファーが上手い、と思う。しかしつなぎやワザとワザの間のトリミングとかは少なくともここ数年問題にされていないので、私の好みでしかないわけだけど。
今はレール抜こうがパンピングしようが、クリティカルセクションですごいことやってればそれでいい。だけど、同じすごいことをするにもそれまでのつなぎがスピーディでスムーズなら、よりハイポイントが出てくる。アーリーラウンドで8点出ていたものが、レベルの上がるクオーター、セミになるといきなり7点台で押さえられてしまうようなことをよく見るけど、それは相手との比較になるとつなぎやほかのディテールも見られてしまう、ということだと思う。
レールは入れ続けながら左右の膝の送りで切り替えるより、一度ニュートラル、つまりフラットな状態にして左右を切り替えるほうがラクだし、よく見ていればワンターンの最後のところで一瞬フラットにしてパタッとレールを入れ替えているサーファーはCT選手にも多い。
ターンごとにこういうワンクッションがあって失速してしまうサーファーと、ターンごとに加速していくサーファーの実力の差は大きい、と私は思う。全盛期のケリー・スレーターは、いったいこの人いつどこでレールを抜くんだろう、というぐらい、いつでもオンレールで加速。膝が伸び切ってしまうことがなく、常にもうひとふみ分の余裕があり、スプレーは非常に滑らかなアウトラインだった。
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