ボビー・マルチネス・インタビュー

ボビー・マルチネス・インタビュー

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ボビー、君はコンテスト会場でのインタビュー以外ほとんどインタビューを受けないんだけど、今回は協力してくれてありがとう。君がいま本当に何を考え、何をしているかの真実をみんなに知ってもらうことが重要だと思うんだ。じゃ、始めようか。
あぁ、なんでも聞いてくれよ。

なんか新しいスポンサーをゲットしたみたいなんだけど、FTWだっけー まずその辺から教えてくれるー
そうなんだ。FTWはVon Dutchにいたボビー・ヴォーンがほかの何人かの仲間と立ち上げたブランドで、Sean John、Roca Wear、Applebottom Jeansなんかを持っているニューヨークのIcer Brandsの傘下にあるウエアブランドなんだ。

FTWは何の略ー ちょっとひねって想像すると、なんとなく、あっちのFTWかなと思うんだけど……
物事はうわべだけ見て判断しちゃいけないんだぜ。FTWの意味は人それぞれ、どういう風にとってもいいんだよ。いまの世の中大変なことになってるからね。子供が校庭で撃たれちゃったり、ほかにもいろいろ。だからFTWはそっちってのもあるけど、オーナーの認識はそれだけじゃない。Fight To Win だったり、Follow The Wordもあるし、 Fight Terrorism Worldwideとか、とにかくいろいろある。ま、もちろんいまの世の中とんでもないから、Fxxk The Worldってのも、もちろんアリだけど。とにかく、聞いた人が思ったように取ればいいんだよ。

契約には満足してるー 君はスポンサーにはなかなか苦労していたようだから
超ハッピー。彼らは僕のこの素顔のキャラクターが、ブランドにぴったりだって思ってくれてる。だから僕は自分のままでいていいんだ。誰に媚を売ることもない。コンテストの成績云々より、もっとライフスタイル重視。だから旅にもいける。

Jベイに行かなかったけど、タヒチはー
行かない。タヒチは好きだし、あそこの波も好きだけど。みんながいる試合のときには行きたくないね。コンテストはもうあまり重視してないんだ。試合でタヒチに行くことはもうないだろうね。

でもあそこで2度も優勝してるし、優勝すればかなりの金額の賞金が手に入るし、それなのに行かないのー
お金の問題じゃないんだよ。大きな契約をしょって、お金もたくさん稼いだ。でもハッピーじゃなかったんだ。そんなことより家にいて家の周りでサーフしていたいんだよ。

新しいツアーのシステムがキミをそういう気にさせたってのはあるー
そう。僕はシーズン半ばでの入れ替えに賛成できない。後半から入ってきた選手にワールドタイトルのチャンスがほとんどないっていう部分だけじゃない。もちろん彼らはワールドツアーをちょっと味見できるけど、たぶんまたすぐに入れ替わるんだ。そうじゃなくて、一年は必要でしょ。
それに、32人に人数を減らすことで3日で試合が終わるって言うけど、結局いまのところ4日でやってるよね。
僕はランキングはそれぞれ独立するべきだと思う。A+ツアー(WCT)、B+ツアー(WQS)があって、A+ツアーのヤツは世界のベストサーファーたちに負けてランキングを落とすんだ。僕やフレッド(パタッチア)は世界のトップサーファーたちに負けて、いまのところリクオリファイできない立場にいる。でも、WCTにいないやつらは、下のレベルのWQSのサーファーたちと戦ってクオリファイしてくる。僕はそれを単純にミックスするべきじゃないと思うんだ。今年僕はタジとジョーディに負けた。世界のトップサーファーだ。だから僕がリクオリファイ出来ないのは仕方ない。でも同じくクオリファイできないQSのやつらは、誰に負けたのよ。それを一緒にされちゃ困るんだ。ワンワールドランキングってシステムは、間違ってる。これが僕がこのシステムを嫌う理由。

一理あるね。でもすべてのルールの変更はサーファーの同意がないと出来ないから、選手会長を通して意見が交換されているはずなんだけど、この件に関しての説明や、話し合いはなかったのー
あぁ、彼らはボードミーティングに行って、彼らの意見を主張するさ。でも、違うんだ。彼らは彼らの意見だけを主張する。少なくとも僕に意見を求めてきたことはないね。誰からもメールひとつもらったこともない。ミーティングに参加して、自分の意見を言ったこともあるけど、結局最後は多数決ってヤツなんだ。変えたいってやつが多くないと何も変わらない。すごく政治色も強い。少なくともこれが中から見た僕の印象。

彼らがこの変革をする目的ってのは何なんだろうー
たぶんサーフィンというスポーツの拡大を目指してるんだと思うけど、僕は同意できない。みんなワンワールドランキングなんて気にしちゃいないよ。システムは正確に理解されてもいないと思う。QSはQSのランキング、CTはCTのランキングであるべきなんだ。QSとCTはレベルが違う。だからそのランキングはミックスされるべきじゃない。ま、これは僕個人の意見だけど。

ニューヨークには出るのー
あぁ、スポンサーの本拠地がニューヨークだからね。そしてそれがWTは最後のイベント。このシステムが変わらない限り、ツアーを回る気にはなれないよ。これにまつわるいろんなことで、とにかくここから離れたいって気になってね。自分だけでサーフしたい。そこにいてもさ、気分良くないし。サーフィンが嫌いになったわけじゃないんだよ。何人かのインダストリーの人にあやつられる新しいツアーがイヤなんだ。あのにっちもさっちも行かない状況がね。
ここ数年、実際ハッピーじゃなかった。今年のスナッパーのイベントのあとに、ゲビン・トップって人に会って、現実を見つめさせられたんだよね。彼の何が、僕に彼の言葉に耳を傾けさせたのか良くわからないんだけど、おかげでなぜ自分がずっとハッピーじゃなかったのかがわかった。彼がいなかったら今の自分はなかったね。

結局チャネルアイランズに戻ってきたわけだけど、正しい選択ー
あぁ。離れるときにはなかなか難しいポジションにいたけど、戻ってきていい感じだよ。ボードは今までで最高のものをゲットしてる。ベルズやウインキーで使ったやつは、自分もまだまだやれるな、って思えるような動きをしてくれるボードだよ。

みんなキミのツイートについて聞きたいと思うんだ。あれはすごくネガティブで怒りがこもってたようなツイートだったね。ここチャネルアイランズのオフィスに来た人が、ボビーのツイート見たー アイツ大丈夫かー って話題になるぐらい過激に思えたけど。
う~ん、そうかぁ。ネガティブかもしれないけど、ポジティブな方角のネガティブ。わかるかな。ツアーにいるのがアンハッピーで、僕はそれを声に出して言いたかった。ツイッターで言ったことは面と向かって誰の前でも言えることだよ。今のツアーの進んでいる方向に関して、ほかのサーファーの中にも僕と同じようにアンハッピーなやつがいるんだ。そう僕に言ってきた。とにかくクソくらえだ。言えというなら何度でも言うさ。

ツイートの中のいくつかの言葉は、ものすごく悪い言葉だったりしたけど、キミをフォローしてる子供たちの親にはなんて説明するつもりー
子供たちに僕をフォローさせる必要はない。でも現実の社会ってそういうことなんだよ。子供たちは大きくなって、彼ら独自の人格を持つようになる。僕がそうであるようにね。

それは一般論じゃなくて、キミがそうだってことだよねー
もし僕がみんなと同じようになりたければ、髪をブロンドに染めて、ピチピチのジーンズはいて、ブルーのコンタクト入れて、イエスマンのいいコちゃんになればいい。でも僕は僕の人生をゴールに向かって歩いてるんだ。現実なんだよ。人間はパーフェクトじゃないし。ひとりひとり別々なんだ。

はぁ~~~~
僕の3歳のいとこだっていつも悪い言葉を連発してる。回りにいるみんなから聞いて覚えちゃうんだ。僕からだけじゃない。そういう言葉を使うのが、ありのままの僕たちじゃない。

インタビューの間ずっと我慢したふうに黙っていたボビーの奥さんのクレオが、とうとうここでたまりかねて口を挟んだ。
「ボビー、3歳の子はまだ意味がわからないで使ってるのよ!」

チャネルアイランズHPはこちら (英語)

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