今年で10回目を迎える、全日本スキムボード選手権大会が神奈川県平塚市、湘南ベルマーレひらつかビーチパークで2015年8月29日(土)~8月30日(日)の2日間で行われた。
全国からトップ選手の集まる大会で、全クラスで107名の参加者が集まった。
近年、スキムボーダーによるフィンレスでのドでかいチューブライディングやマニューバーの映像がシェアされているので興味深く思っていた方も多いはず。今回は、そんなスキムボードシーンをレポート。
【期間中のコンディションは?】
この日は湘南全体ではほとんど波もなく、平塚だけには若干のうねりは入っていた。
サイズは小さいながらも大会を行うには十分なコンディション。
しかし、数日前に日本列島を通過した台風の影響で、地形が決まらずにインサイド、ショアブレイクの巻きが悪く、満潮時の朝一は難しいコンディションでのスタートとなった
【スキムボードと波の関係】
大会を良い波で行うのは難しく、特にスキムボーディングではインサイドの地形次第では、サイズが大きくても小さくても、巻が良い(ショアブレイクがチューブになっている状態)とコンディションは良いとされる。
逆に、巻が悪い(ブレイクの時に引き波が盛り上がってチューブにならない状態)と、いくらサイズが大きくてもスキムボーディングには適さない波となる。
朝はショアブレイクの巻が悪かったが、潮が引くにつれブレイクするようになり、大会としてはまずまずのコンディションとなった。
【ヒートの進め方】
現在の全日本プロクラスの対戦形式は、1対1、ファイナルは3人ヒート、ヒート時間8分~10分、ベスト3の合計得点で行っており、サーフィンと比べると展開が早いのが特徴である。
砂浜からボードを持ち走り、ボードに乗り、ターンをして戻ってくる。そして波待ちのポジション(砂浜)に戻る。これが、スキムボーディングの一連動きとなるのでライディングを終えてから、波待ちのポジションまではすぐに戻れることから、サーフィンに比べてヒート時間は短めとなっている。
この日の風はオフショア~緩いオンショアとまずまずだが、波のサイズは小さめでヒザ~モモ前後。
フェースがしっかりと張らずパワーのない波が多かった。
潮が引き始めてからは、少しアウト気味でブレイクするスープから、ターンのアプローチをしてトリックを組み合わせてくる選手が多かった。
数年前に比べるとトリックの完成度が上がってきている。
ファイナルでは、時よりフェースの張ってくる波も入ってきた。
【結果】
プロクラス
優勝:壁下和宏(新潟)
2位:木全銀之丞(三重)
3位:岸田優人(三重)
【スキムボードシーンについて】
全日本スキムボード選手権大会も10回目を迎え、一つの節目に来ている。
協会が設立されてから、全日本を競技として確立する方向へと舵を切り始めた。
プロクラスというものは存在するが、明確なプロ資格はこれから整備していくところでもある。
そのためには、明確なルールや審査基準が必要となり、またそれがないとプロ化への道も開けない。
そして、世界のスキムボーディングシーンへチャレンジする日本人が増えていくことや、選手としてチャレンジできるフィールドを築き上げていきたいと考えている。
そのためには、世界のスキムボーディングのルールや審査基準を知っておかなくてはならない。
しかし、世界のスキムシーンでも、明確なものが確立されていないと推測される。
世界の基準を知らなければ、世界で勝つ日本の選手が出てくるのに時間がかかってしまうのでは・・・
あまり急ぎ足で進めることではないのかもしれないが、調査をしながら世界基準が作成できればと言うことも視野に入れている。
現在の日本では、マリンスポーツの洗掘者でもあるサーフィンの審査基準などを参考に、スキムボーディングの審査をしているが、サーフィンとスキムは似て非なるものでもある。
しかし共通点も多く、サーフィンからは多くの学びを頂いている。
全く同じ基準となることはないが、スキムならではの醍醐味が伝わるように、また選手が技術の向上、世界への道が明確になるように、そしてスキムボーディングを観て楽しむ人たちが増えるような魅力的なスポーツになればと考え、これからのスキム業界発展を目指している。
レポート/矢島清二
写真/永山修己
全日本スキムボード選手権大会 公式HP
http://www.jsa-skim.com/championship/index.html“