ボルコム、フランスのPPR社へ売却

ボルコム、フランスのPPR社へ売却

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ナイキがハーレーを買収し、VFがヴァンズやリーフを買収って、このところメジャーな大企業によるサーフブランドの獲得が相次いでいるが、今度はボルコムがフランスの高級ブランドをはじめとする各種小売店グループを世界中に展開するPPR社に買収されることになった。

L.A.タイムズ電子版によると、今週月曜日(5月3日)、カリフォルニアを本拠地にするボルコムが、パリのPPR社に約6億ドルで身売りすることに同意したことを発表した。

PPR社は当初クイックシルバーを狙っているという噂もあったが、結局は”youth against establishment(秩序・体制に反抗する若者)”をモットーに成長してきたコスタメサのサーフ&スケートブランド、ボルコムに白羽の矢を立てたようだ。

意外なのはPPR社が保持する数あるブランドのなかには、グッチやイブ・サンローランといった高級ブランドが含まれていることだ。

次のパリコレには、ブルース・アイアンズやディーン・モリソンが秋物のトランクスで腰を振りながらキャットウォークを歩くようになるんだろうかー
それはそれで、サーフィン界の活性化に役立つかもしれない…ー

「20年以上、思想と表現の自由を誘発させるムーブメントを会社を通してバックアップしてきた」とボルコムのウールコット社長は語った。しかし、ボルコムがグローバルマーケットで成功していくには、海外の市場に詳しく、生産から流通、販売までボルコム以上の知識と経験をもっている大企業の助けを借りる必要があるということだろうか。

PPRのピノー社長曰く、「世界中のアクションスポーツ系のブランドのなかでもっとも魅力的なブランド」とボルコムの独自性というかコアな部分を評価している。ボルコムを支持する顧客層もこのユニークなイメージに共感を得ているわけだから、そこの部分だけはハズさないように、これからもブランドイメージを大切にしつつM&Aでもグローバル化でもしてもらいたいものだ。

クイックシルバー元社長のサデイ氏は、これからも大企業によるサーフィン業界参入が続くであろうと予測する。「大企業がコアなマーケットに参入するには、新しい成長過程にあるブランドを必要とする」とサデイ氏は言う。

それと同時に、小さなサーフブランドは大企業の懐の深さや流通ルート、生産性を期待できるということらしい。お互い「持ちつ持たれつつ」ということなのであろうか。

ただ一つはっきりしているのは、裏庭の小屋でサーフボードをシェイプしたり、自宅にミシンを持ち込んでウエットスーツを縫う内職の時代は、遠い昔の話になってしまったっていうこと。いまやサーフ系企業が株式市場に上場し、取締役会があり、株主総会を開く時代になった。

月曜日、ボルコムの株(NASDAQ: VLCM)は$4.67反発し(24%)、いまのところ$24.40で落ち着いている。

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