前回の続き
WSLがそれらを不要としたことで、ヴァンズの手に残ってしまった、というか宙に浮いてしまったパイプマスターズとトリプルクラウンの名称使用権。トリプルクラウンに関しては2014年のfreesurfマガジンの記事に『ASPがライセンス契約』とあるので、この時点ではすでにヴァンズが使用権を持っていたということになる。トリプルクラウンをレジストするときに、ハレイワのハワイアンプロ、サンセットのワールドカップ、そしてパイプマスターズも同時にレジストしたんだろうことは想像に難くない。そしてASPはライセンス契約して使用料を払っていたということだ。
2014年はASPからWSLへの転換期で、ロゴも変わり、その本体機能が徐々にオーストラリアからアメリカに移転していく頃だ。当時WSLはコンテストにかかわるありとあらゆる版権を押さえようとしていたし、会場内での撮影にも様々な条件や規制がかけられた。なんかサーフコンテストに弁護士介入な感じというか、それまでのASPのウェイン・ラビット・バーソロミュー主導の、世界中のいい波の会場の、ベストなシーズンで、ベストな日に、ベストなサーファーたちが試合を行うドリームツアー、を旗印に邁進してきた、ある意味ゆるい、サーファーだからいいじゃん、的なノリを一変させる感じだった。カメラマン連中がけっこうピリピリしていたのを記憶している。
余談だが、最後の「パイプライン」マスターは2009年のタジ・バロウ、最初の「パイプ」マスターは2010年のジェレミー・フローレス、そこから2019のイタロまでパイプマスターが続く。しかしコロナ以降の近年は○○プロパイプラインとか○○パイププロとかマスターの称号はWSLの試合名からは消え、トリプルクラウンもなくなった。
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