サーファーのスタイルと競技力とジャッジ基準

サーファーのスタイルと競技力とジャッジ基準

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2005年Jベイでのケリー Photo: snowy

●質問、先週の続き
②サーフィンのスポーツとしての競技力を追求すると、没個性に向かってしまうのか?
③サーフィンがメジャースポーツになるためには、採点方法が変わる必要があるのか?

このふたつは共通するところが多いので、一緒に回答します
スポーツとしてというか、コンペということになると思うけど、そうなると、最も優先する問題は勝敗。昔はスタイルを出すことで尊敬されたり、優勝しなくていいからその試合で最も印象に残った選手になりたい、とか言っていたものだが、今は経過より結果、美しいサーフィンよりコンマ1でもポイントの高いサーフィンを目指すわけで、それは順位に金銭がついてくるようになったからなのだろう。

だからプールのようにある程度条件が同じであれば、みんな同じライン、同じサーフィンになっていくのは自然なことで、それが没個性というならその通りだし、ジャッジの理想にかなったサーフィンが最もハイレベルということになる。そのジャッジの理想がみんなの理想と同じとは限らないし、サーフィンをどの方向に引っ張っていくかはジャッジに決定権がある。クローズセクションでエアー1発8点、ということになれば、みんな当てられるセクションを当てずに走ってクローズセクションで飛ぶし、走らずに当てたほうがポイントが高ければ、みんなどんどん当てていく。どちらが技術が上か下かは問題ではない。得られるポイントの高低の問題だ。

20世紀のサーファーたちには強烈な個性があったと思うけど、それはサーフィンがスポーツというよりはカルチャーだった時代で、21世紀になるとそれらの個性は淘汰されていき、同時にサーファーはアスリートになった。これはある意味現在のジャッジ基準に照らし合わせれば、進化といえる。なぜなら・・・

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