皆さんのお手元にF+最新号、届いたでしょうか。
ま、ほとんどの人がflowの時代から、F+になっても、あの本は後ろから読まれたりするわけですけど、ま、お目当てはユキニカナボウ。あのうるさいオバサンが今回は何を言ってるのかな、ってあたりから始まるわけですね。
おばさん的には、昔からあそこは最後にトイレで読んどくれ、そんなレベルの独り言だわよ、と思っているんだけど、なかなか皆さん、見逃してくれないようで(笑)。
で、蒸し返すわけじゃないけど、最終戦のパイプ、数々のドラマの中で思ったことは、やっぱ、世界のトップ連中、攻めてるな、ってことかね。
最新号ではマーが攻めなくなっちゃったことにご立腹だったおばさんなわけだけど、ケリー、ジョンジョン、ミック、みんなパイプじゃ超攻めてたと思う。そんな無茶しなくても……みたいな。
ミックがワールドタイトルに必要だったのがセミ進出、ケリーはミックしだいだけど優勝、つまりパイプマスターのタイトルが条件、ジョンジョンはセミファイナル進出でトリプルクラウン。
それぞれに大事なタイトルがかかってたわけだけど、誰一人として、どのラウンドでも、まったく守らなかった。ワイプアウトを恐れない超攻めまくり。
それがウェブで見ていても超興奮のゲームになり、現場で見ていればもっとエキサイティングな勝負になった原動力だ。
20年前の世界のサーフシーンは、ワイプアウトせず、何発も数多くあてて、インサイドまで乗り継げばハイポイントが得られた。そして当時はフリーサーフィンのサーフィンと、試合でのサーフィンには明確な差があった。
だから、カメラマンたちは躍起になってフリーサーフィンを追いかけた。
その差をなるべくつめよう、フリーサーフィンと試合のサーフィンの差をなくそう、という風にジャッジングが変わり、それに選手が追従し、今やフリーサーフィンとコンテストサーフィンの立ち位置が逆転している。
ポイントがほぼ貸切になるコンテストの時のサーフィンのほうがずっとエキサイティングだし、誰だって勝とうと思ったら、リスクを冒して攻めなければ、エクセレントスコアはもらえない。
全体的に日本のシーンは世界から見ると、少なくとも5年、もしかしたら10年は遅れている。選手を含む、サーフィンにかかわる人たちのサーフィンを見る目や考え方、判断もだいぶ遅れていると思う。そのサーフィンがいいか悪いか、どこが世界のサーフィンの違うのか、それが正しく見えなければ、何も始まらない。
最近ちょっとコーチングをやってみて、本当にびっくりした。
世界の常識と全く逆のことを誰かに言われて、それを守っていたプロサーファーがいたり、まるで違うサーフィンに気づかぬままプロになっていたり、え、それをやっちゃだめじゃん、みたいなことを雑誌で読んで忠実に守ってる中級者がいたり……教わった方はそれなりにびっくりしただろうけど、私のほうがもっとびっくりだった。
私はコーチングをすることで、逆にとてもいい勉強になっているし、まだまだ日本は変わらなければならない、と再確認している。
来年が日本のサーフィン改革元年になることを祈ってやまない。
写真
ケリー・スレーター
ワールドタイトル、ミック・ファニング
ミック・ファニング
パイプマスター、ケリー・スレーター
ジョン・フローレンス
トリプルクラウン、ジョン・フローレンス”