タジ、ハレイワでの優勝について語る

タジ、ハレイワでの優勝について語る

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ハワイでの優勝はこれで2回目ですね。いまの気分はー
とってもいい気分だよ。コンテストに勝つっていうのは、楽しい。真剣に勝とうと今年は頑張ってきた。そして、それがハワイで叶うなんて、光栄に思ってる。ここで勝つのは難しいし、こんな嬉しいことはないね。

勝ちたいって言ってたイベントを、勝っちゃいましたね。
本当だね。いい調子で勝ち上がっていけたよ。コンスタントに9点台を出すってのはいい気分だし、簡単にできることじゃない。ワールドツアーのイベントとちがって、4人ヒートはとってもハードなんだ。だから、その分嬉しさも倍増だね。

いつものマンオンマンからフォーマンに変わって戦うのって、どのくらいハードなんでしょうー
かなりハードさ。フォーマンヒートって殺気立ってて、もとから嫌いなんだよね。でも、今回は楽しめたな、トップになれたから。波の取り合いの部分が嫌だよね。プライオリティのあるリラックスした環境で普段戦ってるのに、すべての波を取り合い、奪い合わなくてはならないイベントに出ると、ほんとややこしい。でも、ハングリー精神をむきだしにして戦うのもたまにはいいかもしれないね。だって、僕のようにたくさんの試合をこなしてくると、ハングリーになれなくなってくるから。今回は、このイベントに勝つんだって気合が入ってたんだよ。

あなたはハワイにすぐ溶け込んでしまうタイプのひとりに見えるけど……。
そうだよ、ハワイが大好き。ちょうど友達と話してたんだけど、ハワイに来て、ここを拠点に6週間過ごせるってのは最高なことさ。だって、これまでは隔週で飛行機に乗る生活をしてたんだぜ。2週間ごとに町から町へと移動するんじゃなく、カバンから荷物を出して、規則正しい生活をし、身体にいい食事をとれるっていうのはありがたいことさ。

ファイナルのときのコンディションはどうでしたー 今大会最大の波(9.37pt)をつかまえたようでしたけど。
ファナルはけっこう厳しくて、ちゃんと波を選ばなくちゃいけなかったし、俺っていつもは落ち着きがないじゃん。9点の波はそれほど派手なサーフィンはしなかったんだけど、ジャッジは波の大きさを考慮してくれたみたい。作戦通りだった。大きいのに行こうと決めてたんだ。そこで大きなターンを2回カマせばいいスコアになる、っていう読みだった。

昨日、ジョンジョンだけが、唯一、あなたに勝ってますね。今大会で若手の選手と戦って、彼らのことをどう感じましたー
大会期間中ずっと若いやつらと当たるのがストレスだった。とくに風に向かっていくグーフィーの選手たちね(エアー警戒していて、エアーメイクはは向かい風が有利だから)。ただ、ジョンジョンもバックサイドのエアーが冴えてたし、今大会最大の敵としてマークしてたのが、彼だよ。あいつらと一緒にサーフィンするのは楽しい。ジョンジョン、エヴァン(ガイゼルマン)、ブラザー(コロヘ・アンディーノ)……。あいつらにエアーで引けをとらないように頑張ってるのさ。

ヴァンズ・トリプルクラウンのタイトルだけど、どの程度狙ってるー
100%フォーカスしちゃってるよ。俺がここにいる理由は、まさにそのため。ハワイで6週間やるわけだけど、本当だったら家に帰ってパイプに合わせて戻ってきてもいいわけでしょ。でも、俺はハワイでサーフィンして過ごすのが好きだし、こういうイベントに出るのも楽しいのさ。だから、トリプルクラウンは本気で狙っていく。

未だかつてトリプルクラウンのタイトルを手にしていない、ということのほうが不思議なぐらいですね。
今まで真剣に取り組んだことがないんだ。3試合すべてのファイナルに進出しないと勝てない、って勝手に信じ込んでたから。ただ、ここ数年、けっこうすんなりと軽く流してるだけでタイトルを手にしちゃった選手がいたんだ。それに、どうせ毎年俺って優勝争いにからんでるんだし、ある年なんてあと一歩っていうとこまでいってるんだから、じゃあ今回は真面目にやってみるか、ってことになったわけ。ワールドツアーの選手じゃないとタイトルを取るのはなかなか難しいんだけど、ワールドツアーの選手のなかでトリプルクラウンのタイトルを欲しがってる選手って意外と少ないんだ。でも俺はその一人で、それを楽しんでるよ。

これからのサンセットは、はじめの数日間が、かなりデカそうですね。エキサイトしてるー
5’11”から7’2”に乗り換えて、楽しくなるね。ガツガツ乗る小さな波からサンセットのピークへと、両極端だからね。面白いことになると思うよ。

あそこで勝つにはなにが必要ー
そうだね、パドリングの腕前が試されるだろうし、長い板と、波の知識かな。サンセットは油断ならない波だからな。あんな難しい波はないよ。大きく2回当て込めば、いいスコアを期待できる。だから、2つターンを盛り込める波を探すよ。勝つのが難しいイベントであることは確かだね。

ここで画家のワイランドがインタビューを遮り、タジに電話を手渡した。なんと、伝説のブルースシンガー、タジ・マハールがパリから電話してきたようだ。

「これってなんかのいたずらですかー こんな嬉しいことってないですよ。お話できて光栄です。昔うちの父があなたのサポート役をしてたんですよね。うちの両親はあなたのことが大好きで、それで私をタジと名づけたんです。あなたと話してるのが信じられない! 私のことをあなたが知っているとは、思いもよりませんでした。すごいな。こりゃ、素晴らしい。わざわざお電話ありがとうございます」

タジは受話器をワイランドに返し、ミス・リーフ嬢と写真を撮り、インタビューが中断したことを僕に詫びた。
あぁ、きみの両親はタジ・マハールからきみの名前とったんだ。

そうなんだよ。うちの両親はふたりともミュージシャンで、父はずーっとバンドをやってたんだ。はるか昔、タジ・マハールとギグをし、サポートしたことがあって、ふたりとも彼のことを一流のミュージシャンであり素晴らしい人間だって思ったらしく、そこからきた名前なんだ。彼本人と話すことになるなんて、思ってもみないことだったよ。なんだか彼の話し方って、レジェンドらしい喋り方だったな。(サーフライン)
写真
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