見る価値あるカリッサのサーフィン

見る価値あるカリッサのサーフィン

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ウワサでは実はかなりの遺恨を残したらしいリップカールからクイックシルバーへの電撃移籍や、自宅前で暴漢に襲われたりした事件など、落ち着かないオフだった女王ステファニー・ギルモア。幸い怪我はたいしたことはなかったものの、思うように練習は出来ず、それよりやはり精神的な打撃のほうが大きかったのではないかと思う。

初戦はなんとも後味の悪いというか、ルーキーのローラ・エネヴァーに負けてまさかの5位。ま、5位ってちっとも悪くないけど、ステファニーにしたら、しかもホームのスナッパーでということを考えると、なんか元気なかったな感は残ってしまう。
なにがどういけなかったという
わけではないんだけど、なんとなくキレがないというか、元気がないというか、フン詰まりな感じ。ルーキーながら大金星のローラはデビュー戦3位と健闘した。

ローラはとてもスタイルのいい選手で、ステファニーが出てきて世界をぶっちぎりで制するようになってから、オーストラリアの女子にこういった、スタイルのいいカーヴィング系のサーフィンをする、タイプ「ステ」、みたいな選手が目立つようになったと思う。
ま、そういうスターが生まれれば、みんながそこを目指していくのはとても正しい動きなわけで、世界的な流れとしては、みんながステファニーみたいなサーフィン、と目標に掲げているんだと思う。いいね、身近にそう言う目標がいると。

ローラはまだラインの細さはあるものの、スタイルはかなりいいので、今後に期待できると思う。ま、ちょっと手首が立っちゃう癖がご愛嬌だけど、あのスタイルは悪くない。ダミアン・ハードマンのお膝元、ノースナラビーン出身だ。

ワイルドカードでWT優勝歴もあるスーパールーキーは、オウエン・ライトの妹のタイラー・ライト。ごめんなさい、私、この人のサーフィンはわからないです。あのお尻が落ちちゃうスタイルはいただけない。どうひいき目に見ても、あのエクセレントレンジのハイポイントの連発は良く理解できないです。

ライディングに流れがないし……タイラーに限ってはスタイルもフローも関係ない、という風に理解しないと、あのハイポイントは説明できないような気がするのは私だけー ま、16歳だからこれから直してってね~、って感じではあるけど。

だって、試合でのメンタルコントロールとかタクティクスとか、その辺はすごいハイレベルなものを持ってるから。

同じく、サリー・フィッツギボンスもわからないです。飛んだり回ったりすればいいのかーって感じかな。ま、実際そういう面は現在の女子にはあるようだけど。

ま、そういうわかる人わからない人の中で、もう今回誰が見てもわかりやすかったのがカリッサ・ムーア。
どうにもこうにも、うまいし、スタイルいいし、止まらないし、流れてるし。

もともとここでデビューしたときから、男子バリのスナップ系をメインにしたライディングスタイルがウリのカリッサだったけど、ツアーに出てそれにますます磨きがかかり、パワーも兼ね備えた感じで、見てて十分面白いというか、女子だからトイレとか、メシとか、そういうの、もうすっかりないね。カリッサのために朝イチで会場に見に行きたいと思わせる魅力があるよ。あのサーフィンには。プロの見世物として、完全に成立してる。

昨年のベルズのときにカリッサのカーヴィング360は相当完成度が高まってるって書いたけど、もうすっかり完成したな。普通にライディングの中に無理なく入ってるし、それで流れが途切れることがない。ミスも少ない。カーヴィング360に関しては、一部のWT男子選手よりスムーズだと思う。

ま、スピードも試合では男子より速かったわけだしね。速きゃいいってわけじゃないけど、ひとつの指標としては驚きの数値ではある。
あのまま、カリッサがあのサーフィンをするなら、今シーズンのステファニーはウカウカしてられないと思う。

あと、いつかタイトルを取れる逸材だったシルヴァナ・リマも、あのヒートによる出来不出来の差を何とかしないと、このまま次の世代にやられちゃうことになると思う。

女子、けっこう今熱いと思う。

写真
カリッサ・ムーア
カリッサ・ムーア
カリッサ・ムーア(男子じゃないよ)
ローラ・エネヴァー
サリー・フィッツギボンス”

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