F+編集長
ファイナルデーの晩餐@小林家
ファイナルデーの夜、サンクレメンテに30年以上住んでいる小林正樹さんの家にお邪魔した。息子の桂くんはJPSAプロサーファーで、今シーズンからQSを意欲的にフォローしている。そこに洋人とママ、サーフフードの江川氏も加わった。
マサキ君はもう本当にあきれるぐらいサンクレメンテローカル社会の中に溶け込んでいて、会場で並んで撮影していると、通る人通る人、みんながヘイ、マサキ~と声をかけていく。もちろんみんな外人。どんだけ有名なんだ、って(笑)。
ロウワーの波が大好きでここに住み着き、この社会の中に入った、根っからのサーフジャンキーだ。ものすごいポジティブ、ものすごい明るさ、あいさつは忘れず、いつも100%ニッコニコ。言葉が通じようが通じまいが、いつもにこにこしていて明るくて、あいさつを欠かさないポジティブ思考の人というのは、どんなコミュニティだろうが、すぐに受け入れられる。毎年ここで会う人の一人だけど、毎年この明るさ、ポジティブさには感心してしまう。似たもの夫婦で嫁のエミちゃんも底抜けに明るい、素敵な夫婦だ。
洋人ママは奇しくも私と同じ名前でユキちゃん。
洋人と一緒に世界を駆け巡る、世界のユキさんだ。パパも来ていたのだけど、仕事の都合で前半しかいられず、洋人のヒートは見られなかった。ま、アッパーでサーフィン三昧の日々で、それはそれで、結果オーライ?
大原家とは日本での家もご近所さんなんで、旧知の仲。あれやこれやで話が弾んだ。もちろん今回の試合の話とか、いろいろコアな話もあったけど、そういうのはオフレコ。みんなプライベートタイムなんで、ナイショ。
整列のほうの写真は左から江川氏、洋人ママ、私、正樹くん、桂、洋人。
テーブルのほうは江川氏、洋人ママ、洋人、エミちゃん、正樹くん。小林家の犬、ふたりとも太りすぎ(笑)。
ロウワーのファイナルデー、フィリッペ&シルヴァナ優勝
どんどんなくなるスウェルの中でのファイナルデー。今日もリスタートあったし、本当に今年のロウワーはダメだったな。
20分に1本入るか入らないかのエクセレントレンジの見込めるサウスウェルに的を絞るか、ちょいちょい来るウインドスウェルを何とかこなして7点2本で逃げ切るか、タクティクスの選択が勝敗の分かれ目だったと思う。結果からみれば、待った人はみんな負けていった。30分ヒートに1本か2本しか入らないスウェルだったし、ファイナルに近づくにつれてますます入らなくなってしまったから。
ジョンジョンは、セミのフィリッペ戦で、潮が引いてきて本当に波の来ないヒートにあたり、昨日のミック状態。待つほうに回って、フィリッペの早い仕掛けにやられた。
ファイナルまでずっとこの待つ作戦で勝ってきてたジョーディも、待ちに待って9.00を出したものの、8.00、7.67とうまくそろえたフィリッペにやられた。フィリッペ、今期2勝目。2位ジョーディ、3位エイドリアン・バッカンとジョンジョン。
これでタイトル争いはジョーディのリードが広がったようにも見えるが、ジョンジョンもこの試合では3位につけていて、アジャスティングを考慮すると実質はジョーディ、ジョンジョンが並んでいる感じ。タイトル争いはよほどのことがない限り、このふたりに絞られた感じはある。パイプがあることを考えると、ポルトガル、フランスの2試合はジョーディにとって実に大事な試合になる。取りこぼしは許されない。
連日ものすごいパフォーマンスを見せたウイメンズ。そのけん引者の一人でもあったシルヴァナ・リマが優勝。宿が同じなので、なんとなくよかった感じ? 2位はキーリー・アンドリュー。結構二人ともダークホース。シルヴァナは連日、攻めて攻めて攻めまくった。ワイプアウトの多い選手なんだけど、あの板当たったんだと思う。いつも抜けちゃうところできちんと板がついてきてた。だいぶ前に女子で初めてエアーで10点満点を出した選手だけど、そのあとケガが続き、CT落ち、苦労してようやく復帰しただけに、この優勝は感無量だと思う。
ま、男女通してこの試合は、待っちゃダメ、攻めなくちゃダメ、ということを教えてくれた試合だったと思う。つまり、試合は受け身ではだめということだ。
波が本当に来ないヒートばかりの今年のロウワー
問題のミック、カノアのヒートの取り直しの後、ウイメンズラウンド4、メンズラウンド4の2ヒート、ウイメンズクオーター、メンズラウンド5、クオーターの上2ヒート消化。
もうね、本当に消化、って感じ。リスタートのない日はない、ってぐらいに毎日波が入らないヒートがあって、選手泣かせ。スコアラインに乗る波が3本しか入らなくて、そのうちの2本を乗った人が勝ち、みたいなヒートが結構あって、とにかくこれだけ波来なかったら止めるよね普通、ってコンディションなわけだけど、コンテストピリオドの中ではそれでも今日が一番いいわけで……今年のロウワーはアウトだな。
でも潮がいい時にセットがけっこう入ってくるヒートはエキサイティングで、その時間帯はなぜかねーちゃんらにあたることが多く、今日もシルヴァナ、レイキー、カリッサあたり大爆発。でもQF上半分が結構きつくて、どちらも事実上の決勝な感じだった。
結局セミに残ったのはシルヴァナ、レイキー、コートニー、キーリー・アンドリュー。レイキー本命、対抗シルヴァナ、キーリー穴。あのねクオーターの上2ヒート、ヒートアナライザーで見たほうがいいよ。すごいから。もう女子は休憩、って時代ではないです。
男子。問題の取り直しは結局昨日と同じような展開で、カノアの勝利。ただ波が本当に来ないヒートだった。あのミックがスコアラインに乗るの1本だから。で、カノアはその勢いで、ラウンド5でジュリアン・ウイルソンを下し、クオーターファイナルへ。相手はフィリッペ。また絡まんといいけど。
やっぱここまでのところはジョンジョン、ジョーディ、抜けてる感じ。サーフィンの内容がレベル違いかな、と思う。フレデリコもぜんぜん悪くはないんだけど、ジョーディにかかっちゃどうにもならん感じだった。
淡々と勝ってるのはエイドリアン・バッカン。この人本当にバックハンドうまいと思う。ちょっと点高めに転んではいるけど、点出したくなっちゃうサーフィンしてるからね。
ジョンジョンはもう王様サーフィン全開。ビッグカーブにエアーに、レベル違いのサーフィンを見せてる。明日のコンディションにもよるけど、今回はジョーディ、ジョンジョン、ガチガチなんじゃないかな。ま、ひと足先にジョーディはセミに行ってて、ジョンジョンは明日ジェレミー・フローレスとQFを戦うわけだけど、よほどのことがない限りセミ行くと思う。そのぐらいすごいし、コンスタントで、落ち着いてる。
明日は女子のセミから先3ヒート、男子クオーター2ヒート、セミから先3ヒートのファイナルデー。土日波なしなんで、ノーチョイス。
ミックVSカノアのヒートやり直しの解説
ラウンド3のミック・ファニングVSカノア・イガラシ。すっかりリズムが外れた感じだったミック。でも、外れちゃった理由はプライオリティのコールミス。問題はヒートスタートのノープライオリティシチュエーションの時の出来事。タヒチ以降、WSLでは新しいブロッキングの追加ルールとして、ヒートスタート時のノープライオリティシチュエーションの時には、相手を波に乗らせないためのブロック目的のパドルをした場合、プライオリティを失う、というものが加わった。無駄なハッスルを避けるためね。
簡単に言うと、ノープライオリティの時に自分がピークにいて、別にその波の乗る気はないけど、相手を乗らせないために乗るふりのパドルをすると、プライオリティを失う、つまり相手にプライオリティがわたる、ということ。
で、ミックとカノアのヒートのスタートでこのケースが起きた。2本のセットが来て、カノアがピークにいて、最初の波にパドルしかけてやめるわけだけど、これが新たに加わったブロッキングのシチュエーション。本来ならプライオリティはその時点でミックに移動することになるわけだし、ミックもその場で手を挙げてアピール。でもその裏のセットの2本目の波にカノアが乗って8.90。思い起こせばそのあとミックは何度か手を挙げてアピールしたものの、ヒートはそのまま継続。結局ヒートが終わってからカノア、ミック、オフィシャルでビデオ協議の結果、このヒートは明日の朝取り直しになった。
あんなにリズムがはずれるミック見たことないし、負けたとはいえあんな怖い顔でファン素通りで上がるミックも見たことなかったのは、そういう理由のようです。ヒートアナライザーの後半のほうにその場面が収録されていますので、気になる人はどうぞ。エキストラの星印3つ並んでる2個目ね。ミック、カノア問題、これで解決!
ジョーディ、ジョンジョン盤石=エヴァン、洋人アウト
ウイメンズラウンド3の残り2ヒート、メンズラウンド3、ラウンド4の2ヒートを消化。
ジョーディ、ジョンジョン盤石=エヴァン、洋人アウト。
ガブはジャドソン相手に全くリズムに乗れず、逆にジャドソンはリズムばっちり。エアーでエクセレントを狙うも、そのまま押し切られた。これでガブもタイトルレースから消えた感じ。
同じようにまるでリズムから外れたのがミック。でも、外れちゃった理由はプライオリティのコールミス。詳細は別記事にアップしてますのでそちらをご参照あれ。
ラウンド3のジョーディ対エヴァン・ガイゼルマン、ジョンジョン対大原洋人はもうどちらも大人と子供の対決的な、どうにもならない実力差のある上位の王様ゲームだった。洋人は波の選択も悪くなかったし、自分の今できることはやったと思う。あれ以上を求めたところで、出てこないだろう。ボコボコのコンビネーション。ある意味予想通り。他では9点でも、ここに入れば自分のサーフィンは7点ということなんだと思う。それをどう受け止め、どう考えるかでこの先が変わるんだろう。まさか、あれがなければ勝てた……みたいなことを思ってはいないと思うけど、思ってるとしたら、大間違い。
女子ではシルヴァナ、カリッサ、サリー・フィッツギボンス、サージ・エリクソンがQFへジャンプ。男子はスーザ、フレデリコ・モライスがQF決定。モライス、フリーサーフィンの時から思ってたけど、ここ、あってると思う。本当にレールワークのうまい選手だ。特に返した後のレールの切り替えのスムーズなことスムーズなこと。ぬめぬめしててまるで止まることがない。スタイルは置いといて、ただ、うまい、と思う。おかげでジョーディがラウンド5に回った。どちらかといえばジョンジョンのいる下のほうが楽そうなので、ラウンド5のセバスチャン・ズィーツ戦を取りこぼすと、タイトル争いはジョンジョンがとびぬけることになる。ジョンジョンはジェレミー・フローレス、カノア・イガラシとの3人ヒートなので、今の調子なら取りこぼすことはないだろうけど、試合は何があるかわからないから、まだ何とも言えないけど。
フィリッペ、なんか爆発感が薄いかな。ペース配分きっちりなのかもしれないけど、悪くはないけどスーパーよくもない、静かな感じ。あの飛びと、濃く見えて薄めのビッグカービングのコンビネーションは、なんとなく見慣れた感じかな(笑)。
本命はガチガチでジョンジョン、ジョーディ。まぁ、難易しても今年のロウワーは今一つ波に恵まれそうもなく、期待されていた今日のサイズアップもなんか、別に変わらないんですけど~って感じで期待外れ。引き続き明日に期待。
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今日の主役はねーちゃんらだわね。
なんか、今日も番狂わせというか、下のシードの選手が結構勝ったりしていて、ちょっとおもしろいことになってるトラッスルズ。メンズラウンド2の残りとウイメンズラウンド2、ラウンド3の2ヒート目まで。
ま~、今日の主役はねーちゃんらだわね。CTウイメンズ、再三再四書いてはいるものの、ほんと、やばいです。日本人プロより全然うまい感じ。というか、日本人メンズプロサーファーより確実に攻めてる。リスクを払ってちゃんと攻めてる。
特にラウンド3の2ヒートはすごかったね。女子のこのラウンドはメンズのラウンド4と同じで、3人ヒートで1番がクオーター、2番3番がラウンド4で、負けのないヒート。でもって、両方とも結構ハードヒートになっちゃったもんだから、みんな攻めまくり。それはそれはエキサイティングでした。
レイキー・ピーターソンのグラブレール180リバースはもうほぼメイクなんだな、ってのがわかったし、シルヴァナ・リマの攻めぶりときたら、本当にやばかった。写真のサイズの波の、あのセクションで、写真のようにレールおったてて、あそこまで攻めてるのって、日本人では見たことないね。で、ああいう風に攻めてメイクできるってのは、やっぱり練習なんだよ。100回攻めて1回メイクを100回攻めて80回メイクできるまで練習で攻める。それは本当に大事なことだと思う。
でも、もっと大事なのは、ジャッジがそれをきちんとポイントとしてリワードすること。
リスクを払って攻めたマニューバーと、そっくりだけど簡単なヤツのポイント差をきちんと出さないと、選手はやってられない。
スピードにごまかされたり、横にスライスするリップとタテに最後までにえぐるリップの差を、わずか1点とか2点の間に収められちゃ、リスクを払ってるほうはやってられないわけで、やっぱそこは5点と9点ぐらいの差がないと、選手としてはリスクを払ってえぐる気になれないと思う。差を出さなければみんな様子見てうまくこなす方向に進むわけで、そこに全体のレベルの進化はない。ぬるい競い合い。
なんか今日はCT女子見ながら、日本の男子ことを考えてしまった。安直に、海外回ってそこそこやってる、名前の出てる人に点が高かったりするかな、と思う。もちろんその人がリスキーな難しいことをやっていれば全然いいんだけど、そうじゃないときにも同じように点が出たりするわけで、ディテールをちゃんと見てほしいと思う。結構えぐるサーフィンって難しいわりに見た目がゆっくりで地味なんで、早くてリズミカルにパンパン行くのがすごい感じがしちゃうのよね。ま、波もショボいしね。そういう意味では、今日の女子の時のジャッジングは、すごいちゃんと見てたと思う。スローに見えてもえぐれてれば点出てたし、早いだけじゃ点出なかったし。ねーちゃんらもすごいけど、ジャッジのおっさんらもすごいってことで、ホント、ジャッジが選手を育てるんだな、とあらためて思った次第。
明日は女子ラウンド3の残りから。明日もフルデー、すでにオン。
一番背の高い選手と一番低い選手の対決、洋人がんばった
洋人、がんばっちゃったね。今日のオフィシャルリリースは洋人とガイゼルマンの名前がトップで世界を駆け巡るんだと思う。
8.90は多分今日やった4ヒートのラウンド2のなかではハイエストシングルスコアだと思う。あれは突き抜けてた。洋人の中でもなにかカラを破ったと思うので、今後に期待。
もう今日から金曜日までフルでベタで、何があってもやらないと終わらない感じ。とはいえ金曜日は風が悪く、土曜日になると波がなくなるので、とにかくできるだけ詰めて、どんな波でも、リスタートだろうが何だろうが、やる感じ。
その辺ね、洋人にはラッキーだったと思う。選べるならあの波数の少ない、サイズのないコンディション、相手も選べるなら上位陣ではオウエンだったよね。そういうすべての条件がいいほうに向いたと思うし、チャンスだったし、それを生かしたのは立派。
この試合で一番背の高い選手と一番低い選手の対決(笑)。
始まる前にBCMのブログだったかなんかに書いたけど、予言的中。洋人の活躍次第ではタイトル争いの様子が大きく変わる……変わったよね。ガイゼルマンもがんばっちゃったので、これでウイルコ、オウエンは実質的にタイトルレースから外れることになると思う。
洋人、次のラウンド3はジョンジョンとのマンオンマン。まさか、さすがにないとは思うものの、これでジョンジョンにも勝つようなことがあれば、ジョンジョンも厳しくなるけど、ガイゼルマンがジョーディに勝てば、みんなで負ければ怖くないシステムで、タイトルレースに影響はないけどね。
ラウンド1とラウンド2の4ヒート目まで。リスタート4回。とにかく波が厳しかった。特にラウンド2。全ヒート番狂わせ、下位のシードの選手が勝ってるから。こういうのも珍しと思う。ラウンド1ではまだ9点台連発で、ジョンジョン、ジョーディ、フィリッペ、シーバス、フレデリコあたり、9点ライド出して調子よさそうだった。
明日もラウンド2の続きから8時スタート。すでにほぼ決定。
そういえば今朝、ケリーに会ったな。スキーブーツみたいなのガッツリはめてたね。でも元気だった。ケリーのプールイベントは18日月曜日のようよ。
サーフィンは好きでやるもの?親にやらされるもの?
パパの人力トーイン。早速わが家でも、と思った方多いのかな。でもあれね、イェイデンだからミスなくできて、ミスなくできるから子供もサーフィンを楽しいものととらえるんだと思う。トーインする波は、その後ろにすぐ波の来ない、例えばセットの最後の波。ちゃんとその辺見てるんですよ、パパ。で、それなら子供が乗り終えた後、自力でパドルの真似(ちっとも進まないんで)しててもすぐパパジェットが追いついて拾えるし、波にまかれることもない。
このセッション中、子供が波にまかれたのってほとんどなかったと思う。パパ、ぎりぎりで拾いまくり(笑)。あるいはまかれても、水面に出ればすぐ横にパパジェットという安心感。これが実はとても大事なことなんだと思う。波にまかれるのって、大人になってもイヤなこと。ましてあんな小さい子供だったら、それがイヤでサーフィンが嫌いになっちゃう可能性が高い。自らの意思ではなく、やらされるだけで楽しくないのに、巻かれて苦しけりゃもっとイヤになるし、イヤになっちゃえばしょうがないから楽しんでるふりをする(子供この辺の知恵すごいんで)ことになり、ますますサーフィンはストレスフルなものになってしまう。
親がサーファーで、子供にやらせるっていうのが結構普通になってきていて、今出てきているジュニア、カデットの選手はほとんどが親の影響でサーフィンを始めている。そのこと自体は決して悪いことではないし、自然な成り行きではあると思う。でも、気にしていてほしいのは、自分ではなく、子供自身が本当に楽しんでいるのかどうか、だ。子供がそれを楽しい、と思っているのか、しょうがない、と思っているのか。
どちらでもある一定のレベルまでは変わらないと思う。でもその先、本当に高くて厚い壁を何枚も破らなければならないときに、サーフィンが自分の楽しみなのか、親を満足させるための塾通い的なものなのかは、決定的な差となって出る。
サッカーでも、野球でも、スケートボードでも武道でも、バレエでもピアノでもなんでも、いろんなことをやらせて、できるだけ多くの選択肢の中から本人がサーフィンを選んだ、という過程がないと、エリートコースに乗り始めたあたりで挫折する。楽しい経験がなければ好きになれないし、好きじゃなければ地味な努力は続けられない。強制的にサーフィンの漬物樽に投げ入れられては、壁は乗り越えられない。
最上部写真はCTのルーキーにして10位につけているコナー・オレアリー。母親がJPSAグラチャン、常時日本人プロサーファーに囲まれた環境のなか、本人はサッカーに夢中で、サーフィンを始めたのは中学生になってから。本格的にコンペにハマったのはハイティーン。サーフィンの上達は、練習の時間ではなく、密度だ。そして最後はサーフィンが本当に好きかどうか、にかかってくる。