
3回にわたってスプレーについてつべこべ掘り下げたわけだけど、そこまで掘り下げるにはやはり静止画像でないと見えないことが多すぎるので、いくら望遠鏡のようなレンズでファインダー越しにサーファーを見ていても、微細に至る動きまではその瞬間にはわからない。現地で、瞬時に消え去ってしまうスプレーを見るときにはおおざっぱに、でかいとか厚いとか薄いとかしょぼいとか、そんなレベルになる。でも動いているときにこそよく見えるものをかわりにじっと見つめているので、そのサーフィンの素性を見誤ることはない。それはレール、つまりボードの傾き方だ。
動いているサーフィンを見るとき、私はずっとレールばかりを見ている。スタイルや手の動きやクセなんかも目には入るけど、本当にその人がどういうサーフィンをしているのかを見ようとするときには、レールと板の傾き方、主に左右、時に前後の傾きをじっと観察している。