メリークリスマス。ハワイ3週間滞在の総括

メリークリスマス。ハワイ3週間滞在の総括

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メリークリスマス。
今年のハワイは本当にどうしようもなくて、私は6日位からここにいるわけだけど、約3週間、ハワイっぽい波のあったのはコンテストのあった4日間と半日だけで、それ以外の中でも小さいけど探せばどこかで、が数日、残りはもうどこに行っても無理でしょ、って感じの風の悪さ。デカくても小さくてもアウト、みたいな。結局ハワイらしい、クリーンなビッグバレルは見ないで帰ることになる。
現地の人の話では、そのパイプ開催の日にしたって、ノースのメインシーズンである冬に入ってから数回目、ぐらいのレアな日々だったらしい。

カメラマンたちもフリーサーフィンの写真はまるで撮れない。ま、撮れたところで使い道もない、というのが現実問題でもあるわけだけど。
世界的な業界不景気のあおりは日本やアメリカばかりでなく、ブラジル、フランス、様々な国のサーフィンメディアの縮小を招いていて、どこの国でも歴史あるサーフィン雑誌の一つや二つは消えていっているし、ウェブマガジンも同じ道をたどっている。一人勝ち、と言われていたサーフラインも例外ではなさそうで、今までサーフラインに寄稿していたカメラマンの話では、コンテストの写真はもう買ってもらえないらしい。WSLのリリースについてくるもので十分、みたいな。

考え方ではあるけど、ウェブ上で何かやったところで、物販以外にお金を取るというのはとても難しく、でもランニングコストや取材費はかかるわけで、お財布の収支状況はフリーマガジンのF+と似たようなことなんだろう。形のある雑誌は印刷代、紙代という高額な原価がかかっているので、お財布の健康状態はウェブマガジンのほうがだいぶいいんだとは思うけど、ウェブマガジンの落とし穴は、誰でもできる、というところだろう。あなたも明日から編集長。どこの誰だかわからなくても立派な編集長(笑)。よって、あまりありがたみというか、信頼度というか、メディアとしての特別感が薄い。信頼を得るには、既存の媒体のウェブ版であるか、連日訪問者の興味を引く正確なニュースを更新し続けるしかない。それにはお金がかかる。でもそれをペイする広告費は回収できない。YouTubeにペットの動画を上げるほうが早そうだ。雑誌もウェブもお金にならないので、サーフィンメディアが縮小していくのはナチュラルなことだ。よって、そこで仕事をして生計を立てていたカメラマンも減っていく。カメラ機材の進化で誰でも簡単にいい写真が撮れるようになったことも、プロカメラマンの減少を加速した。

本当に減った。ハワイは世界中からカメラマンが集まるところではあるけど、雑誌社会だったころの10分の1以下しかいない。古くから知っているカメラマンはほんの数人。ビジネスセンスのある人はギャラリーやったりアーカイブで商売したりだけど、それ以外はみんな違う仕事か行方不明。今ビーチで三脚立てている人のほとんどは趣味の撮影、あるいは選手のお抱えビデオ班だ。
写真は数少ないサバイバー、スティーブ・シャーマンとトム・サーベイ。ふたりともF+に寄稿してくれている。古き良き時代からの仲間たち。

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